【手数料と仕組みのちょっと細かい話】S&P500インデックスファンド

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今回は、米国株インデックスファンドの仕組みと手数料についてのちょっと細かい記事です。1円単位まで気になる人は、読んでみてください。

ファンドの手数料と仕組みについてみてみましょう。運用会社によってコストの削減方法が違って面白いですよ。

全て目論見書や運用報告書から読み取れます。

手数料格安S&P500インデックスファンド2選

既出記事「【手数料インサイト】eMAXIS Slim 全世界株式」でも触れましたが、破格手数料のeMAXIS Slim シリーズ。そのS&P500版が2018年7月に設定された①eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ですね。

その約1年後の2019年9月に②SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドが設定されました。

これら2ファンドは手数料格安S&P500インデックスファンドとして良く挙げられます。

いずれも信託報酬が年率0.10%未満という、驚異の手数料をたたき出しています。

100万円投資したら年間費用の目安は、100万×0.1%=1,000円未満ということですね。

これ以上の値下げは、1年間で100万円当たり100円単位の世界になってくるので、あまり意味がありませんね。

大手運用会社とネット系運用会社のコスト削減方法

2ファンドとも、S&P500指数への連動を目指し、手数料をギリギリまで削減しているという点は同じです。

構成銘柄株式を直接売買するのか、S&P500指数に連動する低コストETFを売買するのか、ファンドの仕組みに差があります

ファンドの運用会社

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を運用するのは、三菱UFJ国際投信。メガバンク系の運用会社で、純資産総額日本国内第4位(9.9兆円、2020年3月末)

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドを運用するのは、SBIアセットマネジメント。ネット系の運用会社で、純資産総額日本国内第30位以下(1,837億円、2020年3月末)

大手とネット系で投資哲学や運用体制に大きく違いがあると考えられます。どちらが良い、悪いではなく、どちらも超低コストを実現していて、純資産総額を順調に伸ばしています

勝手な推測ですが、大手メガバンク系の三菱UFJ国際投信はインフラが整っており、十分な人員がそろっていて、S&P500の構成銘柄を直接売買し、低コストで運営する体力があるのだと思われます。

一方ネット系のSBIアセットマネジメントは、バンガード社とタッグを組むことで、フットワーク軽く今回の低コストファンドを実現させたのだと思われます。

同様のネット系運用会社、楽天投信も、バンガード社とタッグを組んで、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)を運用していますね。

ちょっと補足:米国バンガード社

バンガード社は、超低コストパッシブ運用会社として米国では幅広く認知され、圧倒的な資金流入を見せています。

日本では、低コストの運用手段としてETFやファンドを活用している機関投資家は見られていました。個人投資家向け商品は、ここ数年で急速に認知度が上がっているように感じられます。

「海外の低コストETFをそのまま買い、日本向けに運営する」ことが、もしかしたら大手の運用会社では難しい事情があるのかもしれません。

中身のETFを投資家が直接買えばよいのでは?という声もあると思います。それも一つの選択肢ですし、実際に直接運用されている方も多いです。

ファンドにした場合、「複利効果のある「分配金再投資」をファンドが勝手に行ってくれる」、また「積立投資を自由に行える」ことが出来るため、活用する意義があります。

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信託報酬の表現とその意味

少しの差ですが、信託報酬の差を挙げておきます。

信託報酬

細かい話ですが、なんだか微妙に書き方が違いますね。この違いにも意味はあるのです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬とファンドの仕組み

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の「年率0.0968%(税抜 年率0.0880%)以内」とは?

このファンドの総資産総額に応じて、委託会社(運用会社ですね)の信託報酬率が微妙に変わります。

純資産総額が増えれば増えるほど、微妙にディスカウントされていますね。非常に微妙ですが。

ファンド設定時は年率0.0968%ですが、今後純資産総額によっては安くなる可能性があるため、「以内」という書き方をしています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の目論見書より抜粋

2020年7月22日現在の1267.5億円ですので、1,200億円越え!税抜0.8763%つまり税込0.096393%です。

いつの間にやら純資産総額が信託報酬最安レンジに到達していたようです。これはすごい。

0.0968% - 0.096393%=0.000407%で、年間で100万円あたり、4.07円の差ですが・・・。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のファンドの仕組みも見てみましょう。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の目論見書より抜粋

上記の通り、ファンドが、S&P500の構成銘柄を一つ一つを直接売買することで、S&P500指数への連動を実現していることがわかります。

信託報酬の他にかかる費用としては、個々の株式の売買コスト、保管費用などとなります。

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SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの信託報酬とファンドの仕組み

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド年0.0938%(税込)「程度」とは?

・・・「程度」って何よ?

という感じですが、このファンドの仕組みにより「程度」を付けざるを得ないのです。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの目論見書より抜粋

上記の通り、このファンドは、バンガード・S&P500 ETFを買い付けることで、S&P500指数への連動を実現しています。

そのため、バンガード・S&P500 ETFにかかる費用も加味する必要があります。

バンガード・S&P500 ETFにかかる費用は、経費率と呼ばれ、現在年率0.03%程度です。(参照サイトバンガード社HP

構成銘柄株式一つ一つの売買をバンガード社に外注し、別途外注費を払っているイメージですね。

ちょっと補足:経費率とは?

経費率とは、米国の投資信託やETFにかかる年率あたりの総費用の名称です。運用するために必要な費用が、純資産総額に対してどのぐらいの割合かを表したものです。主な費用は信託報酬ですが、それ以外にも構成銘柄株式の売買にかかる手数料、保管費用などが含まれます。決算毎に計算されます。

日本の場合、信託報酬が主に提示されます。構成銘柄株式の売買にかかる手数料、保管費用などを総合した、米国の経費率に相当する数字は、決算後に開示される運用報告書に記載されています。

日本でファンドやETFの目論見書や紹介ページには経費率まで提示されていないので、経費率を主に掲示する米国の方が開示に対する意識が強いのが分かる一面ですね。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの場合、信託報酬を提示する際に、投資対象のETFにかかる費用まで考慮した、「実質的な負担」を算出しています。

対象のETFの経費率は、構成銘柄株式の売買にかかる手数料、保管費用なども加味されているため、年率●%に換算した場合、変動しうることになってしまいます。

よって、バンガード・S&P500 ETFの経費率は、0.03%「程度」であり、「実質的な負担」は年0.0938%(税込)「程度」と記載されています。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド目論見書より抜粋

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ファンドの総経費率(実質コスト)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の総経費率(つまり実質コスト)を運用報告書で見てみましょう。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用報告書より抜粋

個々の株式の売買コスト、保管費用などを加味すると、2020年4月の決算時では、0.163%であったということが分かります。また、信託報酬の他に、0.012+0.032=0.044%掛かったということです。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの場合はどうでしょうか?

このファンドは、2019年9月に設定されて以来まだ決算を迎えていないため、運用報告書が出ていませんでした。

また出たころにアップデートしたいと思います。バンガード・S&P500 ETF自体の売買手数料、保管費用が乗ってくるはずですが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の追加費用0.044%とそんなに変わらない、もしくは少ないくらいだと勝手に推測します。

いずれにしても、下げられるところまで手数料を抑えたファンドで、誤差の範囲内ですね。

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2ファンド、どちらに投資するべき?

結局のところ、ファンドの仕組みは違えど、S&P500指数への連動を目指し、格安信託報酬な点は変わりません。

後発のSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドも純資産総額を結構なスピードで伸ばし、500億円を超えました(2020年7月22日現在)。ここまでくると、実質コストも大きく変わらなくなってきます。

もはや、完全に好みの問題かと思います。

口座を開けている証券会社によって取り扱いが異なりますので、気軽に変える方を買えばよいかと。

また、買い付け価格を分散させるため、両方活用しても良いかもしれません。

今後も日本の国内投資家が気軽にアクセスできる、低コストインデックスファンドは増えてほしいですし、現在進行形で増えているのだと思います。

大手運用会社も、ネット系運用会社も、各社特色のあるコスト削減方法で、格安インデックスファンドを続々と設定していますね。

ファンドの仕組みを見ると、各運用会社の工夫の跡が見られ、なかなか興味深いですよ!

気になる人は、調べてみてください。

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